沖縄県赤瓦事業協同組合沿革

沖縄県赤瓦事業協同組合は、1983年(昭和57年)に「沖縄赤瓦事業協同組合」として当時9社の瓦工場から発足しました。その後、下表のような多くの事業に取り組み、現在に至っています。沖縄の風土に適して、なおかつ機能性に優れた瓦を作るべく、製造に励んでいます。

昭和57年10月

沖縄赤瓦事業協同組合設立

昭和60年

沖縄県地場産業振興事業補助金
「陶壁構成素材の探索と商品化に関する研究開発」

昭和62年7月

名称を沖縄県赤瓦事業協同組合に改名

平成12年

課題対応新技術研究調査事業

平成13〜14年

課題対応新技術研究開発事業
「亜熱帯地域における機能性屋根材に関する研究開発」

平成16年9月

沖縄県地場産業振興事業補助金制度

平成17年6月

平成17年度企業連携共同研究開発支援事業

平成18年6月

平成18年度企業連携共同研究開発支援事業

平成19年3月

内閣府沖縄総合事務局から官公需的格組合証明書の交付

平成19年6月

平成19年度企業連携共同研究開発支援事業

平成20年11月

平成20年度企業連携共同研究開発支援事業

平成21年2月

特許庁から地域団体商標「沖縄赤瓦」が商標登録


赤瓦の歴史

 沖縄の赤瓦は、風土と景観に適した造りとなっており、近年伝統的価値が見なおされています。このため、観光地や公共施設の建物及び一般の住宅にも多く使用されています。沖縄の瓦というと一般的に赤瓦がよく知られていますが、首里城周辺などの発掘現場などから、灰(黒)の瓦も見つかっており、2種類の瓦が使用されていたことが分かっています。その内、灰(黒)の瓦は古くから使われ、寺社や、王侯貴族の城に利用されていました。ところが、現在の沖縄で使用されている屋根瓦のほとんどは酸化焼成による赤色のシマガ−ラです。これは、夏の強烈な陽射しに対して有効である。

  赤瓦は明治初期まで首里周辺で焼かれてきましたが、明治22年の解禁から、製造、製品流通及び建築資材集積で便の良い与那原周辺へと瓦生産の中心が移っていき、現在に至っています。近年製造されているおもな赤瓦は、在来瓦のほか、S型瓦、重ね瓦、断熱瓦、スペイン瓦になっています。その中で、在来瓦、S型瓦などは木造建築に使用されていますが、現在ではRC構造住宅が多く、そのため時代のニーズに適応した改良瓦の製造などの研究開発に取り組んでます。


赤瓦屋根のある景色(竹富町)



赤瓦の機能性について


赤瓦には断熱性があるといわれていますが具体的にどれくらい効果があるのですか?という疑問を持たれる方も多いと思います。
 当組合では、沖縄県工業技術センターの協力を得て既存赤瓦の機能性の研究を行い、実際に瓦を使用した場合とそうでない場合とで温度の比較を行いました。
 
以下のような実験装置を用いて、スラブ板(コンクリート)のみとスラブ板上に瓦を乗せた場合における、発泡スチロール箱内の温度を測定した結果、以下のような結果を得ることができました。 グラフは夏場(8月)のデータになりますが、これを見るとスラブ板(コンクリート)のみの場合と、屋根材として瓦をのせた場合とに明確な差異が確認できます。日中の日差しの強い時間帯(4時頃)においてスラブ板のみだと最高温度が42.8
℃まで上昇しているのに対して、瓦をのせた場合だと38℃程度に抑えられ、約4℃の温度差が現れることが確認できました。
 ここで紹介した実験データは全体の一部ではありますので、今後更なるデータの蓄積を行い正確な研究を進めていきます。

実験装置

 

温度変化のグラフを見るにはこちらをクリックして下さい。

 

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